セガに,任天堂やSCEIと同じ匂いではなく,スクエアやコナミと同じ匂いを感じる日が,来るのだろう,か?
セガ社のドリームキャスト製造中止と他ハード参入を受け,他メーカーのコメント。SCEI「プレイステーションにとって大きなプラス,参入を歓迎する」,ナムコ「今後も競い,協力しあい,業界の発展に貢献したい」,バンダイ「セガのタイトルでの活性化を期待する」。
20年弱も,ひとつの拠り所としてきた,コンシューマーハードを捨てる気持ちとはどんなものだろうか。基本はアーケードだったとか,コンシューマーハードがすべてではなかったという意見もその通りだが,コンシューマーハードなしのセガは,ある意味では存在価値を揺るがす事態だ。ソフトウェアベンダーのMSが,ハードウェアに歩を進めるXボックスと対照的に,セガはハードを捨てる,もう二度と,手に取ることはない,と宣言して。
任天堂のゲームに,独特の「匂い」があるように,SCEIのゲームに,独特の「匂い」があるように,セガにも,ナムコやコナミ,エニックスやスクエアにはない,独特の匂いがあった。それは,ハードメーカーが醸し出すことができる匂いなのかもしれない。生粋のソフトウェアベンダーにはそれとは違う匂いがある。その匂いに,セガは染まることができるのか,いつ,染まることができるのか,本当に,染まることができるのか。他社メーカーのコメントを読めば一目瞭然のように,現在のゲーム業界は,誰が笛を吹こうと,誰が踊ろうと,一向に盛り上げらぬまま,深い闇へと転げ落ちている。そこで,ハードなきセガは,どのような香りを立ち昇らせるのか。振り返ってはいけない,もうハードはないんだ。過去の匂いは,すべて捨てて,清新な芳香を発するまで,すべてを,捨てて,いざ,いざ。もう,歩み続けるしか,ないんだ。
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